Oracle入門向けチートシート

Oracle基本概念

Oracleデータベースとは

リレーショナルデータベース管理システム（RDBMS）の一種で、表形式でデータを格納・管理します。

データベースの主要コンポーネント

表領域（Tablespace）: データの物理的な保存場所
表（Table）: データを行と列で格納する基本単位
索引（Index）: データ検索を高速化する構造
ビュー（View）: 仮想的なテーブル

インスタンスとデータベースの違い

インスタンス: メモリ構造とバックグラウンドプロセス

データベース: ディスク上の物理ファイル

Oracleでは、インスタンスがデータベースファイルにアクセスする関係です。

SQL基本構文

SELECT基本構文

SELECT カラム名 FROM テーブル名 WHERE 条件;

全てのカラムを選択: SELECT * FROM 従業員;

データ取得と条件

SELECT 名前, 給料 FROM 従業員 WHERE 部署='営業' AND 給料 > 300000;

WHEREの条件には複数の論理演算子（AND, OR, NOT）を使用できます。

データの並べ替え

SELECT * FROM 商品 ORDER BY 価格 DESC;

ASC（昇順・初期値）、DESC（降順）

データ操作コマンド

INSERT（データ追加）

INSERT INTO テーブル名 (列1, 列2) VALUES (値1, 値2);

例: INSERT INTO 社員 (社員ID, 名前) VALUES (101, '山田太郎');

UPDATE（データ更新）

UPDATE テーブル名 SET 列1 = 値1 WHERE 条件;

例: UPDATE 社員 SET 部署 = '営業部' WHERE 社員ID = 101;

WHERE句を忘れると全レコードが更新されるので注意！

DELETE（データ削除）

DELETE FROM テーブル名 WHERE 条件;

例: DELETE FROM 社員 WHERE 退職日 IS NOT NULL;

削除前にSELECT文で確認するのがベストプラクティス

テーブル作成と管理

CREATE TABLE（テーブル作成）

CREATE TABLE 顧客 ( 顧客ID NUMBER PRIMARY KEY, 名前 VARCHAR2(50) NOT NULL, メール VARCHAR2(100), 登録日 DATE DEFAULT SYSDATE );

ALTER TABLE（テーブル変更）

ALTER TABLE 顧客 ADD 電話番号 VARCHAR2(15);

列の変更: ALTER TABLE 顧客 MODIFY メール VARCHAR2(150);

列の削除: ALTER TABLE 顧客 DROP COLUMN 電話番号;

主なデータ型

データ型	説明
NUMBER	数値（整数・小数）
VARCHAR2	可変長文字列
DATE	日付と時刻
CLOB	大きなテキストデータ
BLOB	バイナリデータ

よく使うOracle特有のコマンド

接続とセッション

CONNECT ユーザー名/パスワード@データベース

ロール切替: SET ROLE 管理者;

SHOW USER;

現在のユーザーを表示

システム情報の確認

SELECT * FROM V$INSTANCE;

インスタンス情報の表示

SELECT * FROM V$DATABASE;

データベース情報の表示

トラブルシューティングの定番コマンド

表領域の容量確認:
SELECT * FROM DBA_TABLESPACES;
ロックの確認:
SELECT * FROM V$LOCKED_OBJECT;
実行中のSQL確認:
SELECT * FROM V$SQL;

初心者向けヒント集

よくあるエラーと対処法

ORA-00942: 表またはビューが存在しません

対処: テーブル名のスペルミスや権限を確認

ORA-01017: ユーザー名/パスワードが無効です

対処: 認証情報を確認し再試行

開発時のベストプラクティス

変更前にデータのバックアップを取る
本番環境前にテスト環境で検証する
大量データ操作はコミット頻度に注意
WHERE句を忘れずに（全データ更新を防ぐ）

おすすめの学習リソース

Oracle公式ドキュメント（日本語版あり）
Oracle Database Technical Articles
Oracle Database Administrator's Guide
Oracle University（公式トレーニング）